音楽ライター・金子厚武のブログ
by ashadeofshyness
カテゴリ
日記
インタビュー
YEAR IN MUSIC
ウィークリー・レコメンド
コラム
以前の記事
2016年 12月
2016年 01月
2015年 12月
more...
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


2014年の現状④GO TO 2020~東京オリンピックに向けて

昨年まで「東京の音楽」と言えば、②で書いたような東京のインディーシーンで起こっていることを指すことが多かったように思いますが、2020年の東京オリンピック開催が決定し、少しずつ再開発が進む中、改めて東京という都市を見つめ直し、それを鳴らそうとする作品が増えてきました。例えば、「フラット化するテン時代の“Tokyo”に警鐘を鳴らす」作品であり、「驚異的なスピードで移り変わり、コミュニケーションまでもを含めたすべてが等価で均一的になっていく時代に抱く無常感」が込められているというavengers in sci-fiの『Unknown Tokyo Blues』と、今年一月にメモリアルな初ライブを行ったSerphの別名義Reliqの、「SF化する現実のための曲集」「気候変動の激しい世界における新たなトロピカルミュージック」をテーマとした『Metatoropics』は、デジタル化が進む都市の中で人間性を掴み直すという意味で、まさに同テーマの作品。AKBのドキュメンタリー映画の音楽を手掛けたことが話題を呼んだworld’s end girlfriendのレーベルから出たbronbabaの『neo tokyo』は文字通り『AKIRA』とのリンクがあるし、今後こういったテーマの作品が増えることは間違いないと思います。





このインタビュー、ぜひ読んでほしいです。
「変化し続ける世界をサバイブしよう Serph(Reliq)インタビュー」
http://www.cinra.net/interview/201404-reliq

そんな中、ずばり“東京”という楽曲を含んでいたのが、踊ってばかりの国のセルフタイトル作であり、あの作品は日本という国全体を見つめながら、東京という街をあぶり出してもいました。これまで存在する“東京”という名の名曲の多くが、個人史に基づいたものであったりするのに対して、〈政治家のジジイが決めたことで また子どもが死ぬよ 難攻不落の民の声 お上には届かないよ〉と歌った踊ってばかりの国の“東京”は、日本社会の中心としての東京を明確に見据えたものであり、実はありそうでなかった曲だと思う。最近だと、きのこ帝国が“東京”というタイトルの新曲をやっていて、音源化が待ち望まれるんだけど、あれはどっちかっていうと個人史よりかなあ。



2012年のロンドンオリンピック開催に合わせてハイドパークでライブを行い、ロンドンを通る高速道路を題材とした“Under the Westway”という楽曲を発表しているブラーは、今年の一月に行われた約10年ぶりの来日公演でも、バックドロップにWestwayの写真を掲げていました。そう、ブラーというバンドは今も愛情と皮肉を交えつつ、ロンドンという街を体現し続けているのです。東京オリンピックの開会式で誰が音楽監督を務めるのかという話題もよく耳にしますが、それが誰であろうとも、2020年に向けて「東京の音楽」を様々なアーティストが提案していくことになるのは確実。もしかしたら、その流れの中で「国際都市としての東京」が見直され、洋楽との関連性が見直されるかもしれないし、ブラーのようなヒーローが表れることもあるのかもしれない。



最高…!

そういう意味で僕が個人的に期待するのは、踊ってばかりの国と並んで、やっぱりアナログフィッシュなんですよね。震災前に作った“PHASE”という曲で、〈失う用意はある? それとも放っておく勇気はあるのかい?〉と歌い、“抱きしめて”という曲で〈危険があるから引っ越そう/事件が起きるから引っ越そう/ねぇどこにあるのそんな場所がこの世界に もうここでいいから思いっきり抱きしめて〉と歌ったアナログフィッシュの音楽は、もちろん日本全体のムードを示していると同時に、やっぱり都市生活者としての、東京に生きる者の歌だと思う。アナログフィッシュというバンドは、これまでずっと「City」を歌い続けてきたバンドでもあるしね。ニューアルバムに先駆けて、先行で公開されている“はなさない”は、ミニマルなギターフレーズといい、サイケ感といい、メランコリックな雰囲気といい、“Beetlebum”をはじめとしたブラーの楽曲を思い出すんだけど、そういう音楽的な近さも含め、アナログフィッシュがブラーのように「東京」を改めて体現してくれるんじゃないかと。下半期に予定されている新作には、そんな期待も持っています。


[PR]
by ashadeofshyness | 2014-07-11 23:27 | YEAR IN MUSIC
<< 2014年の現状⑤クラウド化す... 2014年の現状③BACK T... >>