音楽ライター・金子厚武のブログ
by ashadeofshyness
カテゴリ
日記
インタビュー
YEAR IN MUSIC
ウィークリー・レコメンド
コラム
以前の記事
2017年 08月
2016年 12月
2016年 01月
more...
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


カテゴリ:YEAR IN MUSIC( 44 )

ALBUM OF THE YEAR 2016

b0127040_22481621.jpg

1 Seiho / Collapse
2 METAFIVE / META
3 Galileo Galilei / Sea and The Darkness
4 宇多田ヒカル / Fantome
5 D.A.N. / D.A.N.
6 AL / 心の中の色紙
7 サニーデイ・サービス / DANCE TO YOU
8 ゲスの極み乙女。 / 両成敗
9 bonobos / 23区
10 KIRINJI / ネオ
11 ゆうき / あたえられたもの
12 きのこ帝国 / 愛のゆくえ
13 indigo la End / 藍色ミュージック
14 雨のパレード / New generation
15 TAMTAM / NEW POESY
16 KOHH / DIRT Ⅱ
17 Magic, Drums & Love / Love De Lux
18 Yasei Collective / Lights
19 Klan Aileen / Klan Aileen
20 downy / 第六作品集『無題』
21 Helsinki Lambda Club / ME to ME
22 CICADA / fomula
23 THE NOVEMBERS / Hallelujah
24 王舟 / PICTURE
25 NOT WONK / This Ordinary
26 OGRE YOU ASSHOLE / ハンドルを放す前に
27 Homecomings / SALE OF BROKEN DREAMS
28 plenty / life
29 中村佳穂 / リピー塔がたつ
30 never young beach / fam fam
31 CRCK/LCKS / CRCK/LCKS
32 sebuhiroko / L/GB
33 ミツメ / A LONG DAY
34 GRAPEVINE / BABEL,BABEL
35 KONCOS / Colors & Scale
36 相対性理論 / 天声ジングル
37 Capeson / HIRAETH
38 yahyel / Flesh and Blood
39 Moe and ghosts×空間現代 / RAP PHENOMENON
40 VELTPUNCH / THE NEWEST JOKE
41 MUSIC FROM THE MARS / After Midnight
42 GEZAN / NEVER END ROLL
43 WONK / Sphere
44 赤い公園 / 純情ランドセル
45 Keishi Tanaka / What’s A Trunk?
46 Gotch / Good New Times
47 ZA FEEDO / 2772
49 Czecho No Republic / DREAMS
48 LILI LIMIT / a.k.a
50 odol / YEARS
次点 RADWIMPS / 人間開花
次点 スピッツ / 醒めない
次点 UNISON SQUARE GARDEN / Dr.Izzy
次点 ASIAN KUNG-FU GENERATION / ソルファ
次点 BABYMETAL / METAL RESISTANCE
次点 岡村靖幸 / 幸福
次点 SKY-HI / カタルシス
次点 KANDYTOWN / KANDYTOWN
次点 WORLD’S END GIRLFRIEND / Last Waltz
次点 小林うてな / VATONSE
[PR]
by ashadeofshyness | 2016-12-31 23:46 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2015 総括

b0127040_2291644.jpg

1 cero / Obscure Ride
2 星野源 / YELLOW DANCER
3 ペトロールズ / Renaissance
4 plenty / いのちのかたち
5 toe / HEAR YOU
6 Serph / Hyperion Suites
7 アナログフィッシュ / Almost A Rainbow
8 DALLJUB STEP CLUB / We Love You
9 ザ・なつやすみバンド / パラード
10 NOT WONK / Laughing Nerds And A Wallflower
11 Spangle call Lilli line / ghost is dead
12 クラムボン / triology
13 服部峻 / Moon
14 D.A.N. / EP
15 mouse on the keys / Flowers Of Romance
16 Keishi Tanaka / Alley
17 パスピエ / 娑婆ラバ
18 People In The Box / Talky Organs
19 indigo la End / 幸せが溢れたら
20 tofubeats / POSITIVE
21 米津玄師 / Bremen
22 Madegg / New
23 Base Ball Bear / C2
24 the telephones / Bye Bye Hello
25 Suchmos / THE BAY
26 LAMP IN TERREN / LIFE PROBE
27 踊ってばかりの国 / SONGS
28 Czecho No Republic / Santa Fe
29 ASIAN KUNG-FU GENERATION / WONDER FUTURE
30 きのこ帝国 / 猫とアレルギー
31 東京カランコロン / UTUTU
32 Turntable Films / Small Town Talk
33 the band apart / 謎のオープンワールド
34 ROTH BART BARON / ATOM
35 YOLZ IN THE SKY / HOTEL
36 シンリズム / NEW RHYTHM
37 ビイドロ / ひろばとことば
38 北園みなみ / Never Let Me Go
39 Sugar’s Campaign / FRIENDS
40 Taiko Super Kicks / Many Shapes
41 OKAMOTO’S / OPERA
42 fox capture plan / Butterfly
43 吉田ヨウヘイgroup / paradise lost, it begins
44 ねごと / VISION
45 Alfred Beach Sandal / Unknown Moments
46 sebuhiroko / WONDERLAND
47 skillkills / Ill Connection
49 LILI LIMIT / Etudes
48 Awesome City Club / Awesome City Tracks 2
50 never young beach / YASHINOKI HOUSE
次点 Mr.Children / REFLECTION
次点 ONE OK ROCK / 35xxxv
次点 SEKAI NO OWARI / Tree
次点 Ken Yokoyama / Sentimental Trash
次点 WANIMA / Are You Coming?
次点 BOOM BOOM STELLITES / SHINE LIKE A BILLION SUNS
次点 ORIGINAL LOVE / ラヴァーマン
次点 清竜人25 / PROPOSE
次点 SAKEROCK / SAYONARA
次点 椎名もた / 生きる


Ride On The Turning Tide(Need Some Inspiration)

区切りの年となった2014年を経て、2015年は日本のロック/ポップにおける地図が様変わりした一年になりました。まず明確に言えるのは、「ブラックミュージックを背景としたポップス」が一大トレンドになったこと。ここ数年の国内外におけるファンク、ソウル、ジャズなどの盛り上がりを受けつつ、「シティポップ」というワードが改めて冠されることによって、明確な流れになったように思います。ベストアルバムに選んだceroはそれを象徴する存在で、活動初期からヒップホップをはじめとした多様な音楽性が内包されていたものの、グラスパーやディアンジェロに接近してよりブラックミュージック色を濃くすることで、結果的にシーンの下地を作り上げました。メジャーデビューを果たしたShiggy Jr.やAwesome City Club、インディーシーンで活躍したYogee New Waves、Suchmos、Lucky Tapesなども、ceroが用意した流れを踏まえてシーンに浮上したという言い方ができるでしょう。その一方、昆虫キッズに続いて森は生きているが突然の解散を発表したのは、時代の移り変わりを感じさせました。

もう一人、この流れのキーパーソンとなったのが星野源で、山下達郎や小沢健二らが再評価される中、新たな男性ソロアーティスト像を確立し、紅白歌合戦にも出場を果たしました。そもそも、彼がSAKEROCKのメンバーとしてカクバリズムにおいてceroの先輩であったことを考えれば、ここには一本の線が見えてきます。そして、大先輩にあたるORIGINAL LOVEの田島貴男、アイドルシーンで活躍した清竜人、インディーシーンではKeishi Tanakaや入江陽、シンリズムなど、2015年は星野以外にも男性ソロアーティストの活躍が目立ち、1月27日にはいよいよ岡村靖幸が11年ぶりの新作を発表します。まさに、舞台は整ったという感じでしょう。

そして、星野源のアルバムに参加し、紅白でサポートを務めただけでなく、椎名林檎とのデュエットで紅白のステージに2度登場した長岡亮介率いるペトロールズが、結成10年目にして初のフルアルバムを発表したのがダメ押し。Awesome City Clubから大橋トリオ、Chara、一十三十一らの作品に関わったmabanuaと共に、間違いなく2015年の影の主役でした。ちなみに、林檎のステージにチラリと登場した向井秀徳率いるZAZEN BOYSは、かねてよりロックバンドによるブラックミュージックの独自解釈をひねり上げてきたバンドだったので、2015年に作品が出ていればドンピシャだったはず。まあ、今は吉田一郎のソロと、同じ命題に挑んだBase Ball Bearのアルバムを聴きつつ、2016年に期待しましょう。


「シティポップ」と並んで、2015年のキーワードとなったのが「ポストロック」でした。toeやte’、mouse on the keysにSpangle call Lilli line、そして結成20周年で日本武道館公演を成功させたクラムボンと、日本におけるポストロックの発展に大きく寄与したバンドたちが、そろってひさびさの新作を発表したわけです。僕が監修を担当させていただいた『POST-ROCK DISC GUIDE』が5月に発売されたのですが、この本が企画された2014年には、まさか2015年がここまでのポストロックイヤーになるとは、正直思っていませんでした。これは単なる偶然のようでもあり、最盛期から15年という周期的な理由も考えられますが、ポストロックがジャズとの親和性が高いジャンルであると同時に、様々な音楽的要素を内包した「折衷主義」を基本としたジャンルであることを考えれば、ここにはシティポップとのリンクが見えてきます。つまり、2015年にシティポップとポストロックが盛り上がったのは、音楽の構造的な、折衷的な面白さを見つめ直そうとする動きの表れだったように思うのです。

近年は「ライブの時代」と呼ばれてフェスの影響力が増し、一方ではSNSにおける拡散性が重視された結果、即効性のある音楽が求められ、実際にそういったものが受けていました。しかし、その流れが結果として作品の創造性を奪っていった結果、その揺り戻しが起きたのが2015年だったように思うのです。くるりの岸田さんが、4つ打ちの横行する夏フェスの現状を踏まえた上で、「多分、日本の音楽文化は、これから変わる。複雑な表現をする人が結構増えてきた実感があるけど、全体主義的にシンプルにまとめ上げようとしている大きな力が、そろそろ疲弊してきている気がしている。ポップミュージックの歴史を紐解いていくと、簡単な表現に飽きて、複雑な表現を経て、的を得た素直な表現に変わっていくタームが必ずやってくる」と日記に記したのは、まさにこうした状況を指してのことだったように思われます。the telephonesの活動休止前ラストアルバムが、ここで言う「的を得た素直な表現」だと感じられたのも、非常に印象的でした。

日本におけるポストロック評論の第一人者である佐々木敦氏は『Jazz The New Chapter』に関して、「かつてポストロックが担っていた役割を今果たしている」と指摘しましたが、日本のインディーシーンに目を向けてみると、その直系と言うべきYasei Collectiveや、よりヨーロッパ的なfox capture plan、もしくはD.A.N.、DALLJUB STEP CLUB、skillkillsといったバンドが、現在進行形のエレクトロニックミュージックと向き合った非常に折衷的な音楽性で、現代におけるポストロック的なあり方を体現していたように思います。当時のポストロックのすぐ隣にはエレクトロニカがありましたが、ジャズをテーマに据えていたSerphの新作は時代感的にもジャストだったし、Serphと同じレーベルから作品を発表した服部峻、もしくはMadeggなど、海外におけるARCAやOPNらと共振する新たな電子音楽の担い手の台頭にも興奮を覚えました。

歌もののバンドに目を移すと、LITEやtoeを影響源に挙げるLILI LIMITや、残響レコードの若手でメジャーデビューも決まった雨のパレードは、同時代の海外のインディロックも視野に入れながら、それをあくまでポップに鳴らすことで、現代的なポストロックを体現しているように思います。この2バンドの前にいるのが近作のエンジニアをtoeの美濃隆章が担当しているゲスの極み乙女。で、彼らもブラックミュージックとの接点が強いバンドであることを考えると、星野源と共に紅白に出場を果たしたというのは必然だったような気もしてきます。


こうした動きは2016年により顕在化することになると思われますが、一方ではすでにそのカウンターとなる動きも起きつつあります。シティポップやポストロックが基本的に端正でソフィスティケイトされた音楽であるのに対し、パンク~オルタナの再興が起こりつつあるのです。Ken Yokoyamaの「ミュージックステーション」出演も大きな話題を呼びましたが、その直属の後輩であるWANIMA、もしくは04Limited Sazabysらは大先輩を追い抜かんばかりの勢いで支持を獲得。よりアンダーグラウンドに目を向ければ、元GOING STEADY~銀杏BOYZの安孫子真哉が主宰するKiliKiliVilla発のNOT WONKが大きな注目を集めました。かつて「青春パンク」と一括りにされたバンドたちの中にも、多様性があったことを思い出す人もいることでしょう。やはり、時代は巡るのです。

このように、2015年は音楽地図が様変わりした年だったことは間違いないものの、ベストアルバムの上位にcero、星野源、ペトロールズを選んだように、作品のクオリティという意味では、この状況を作り上げてきた音楽家たちに一日の長があったように思います。アナログフィッシュやザ・なつやすみバンドはシーンの流れとも接点を持ちつつ、独自性のある素晴らしい作品を残したし、plentyを筆頭に、Czecho No Republic、東京カランコロン、ねごとといった若手から中堅へと歩みを進めたバンドたちが、それぞれ手応えのある力作を作り上げたのも見過ごすわけにはいきません。そして、だからこそ、2016年は今年頭角を現した若手が、作品で結果を残してくれることを期待したいと思います。

業界のドラスティックな変化が続き、旧来のシステムでは立ちいかなくなったことに誰もが気づいた2015年。そこに再び新たなシステムを構築しようとする動きに対し、多くのアーティストが「自由なクリエティブこそが時代を作っていく」という姿勢を表明していることは、非常に頼もしく感じられます。2016年も、既存のシステムやルールの外側からこそ、素晴らしい音楽が生まれてくるはずです。


関連

2015年上半期のバンドシーンを振り返る。「シティポップブーム」の本質とは?

ポストロックの季節が再到来? 時代のキーワードは「折衷主義」

くるりから考察。複雑な表現が目立った2015年、次はどうなる?
[PR]
by ashadeofshyness | 2016-01-10 22:51 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2015 1-10

b0127040_21293957.jpg










10 NOT WONK / Laughing Nerds And A Wallflower

b0127040_2129561.jpg










9 ザ・なつやすみバンド / パラード

b0127040_21301180.jpg










8 DALLJUB STEP CLUB / We Love You

b0127040_21302717.jpg










7 アナログフィッシュ / Almost A Rainbow

b0127040_2130404.jpg










6 Serph / Hyperion Suites

b0127040_2131179.jpg










5 toe / HEAR YOU

b0127040_21311529.jpg










4 plenty / いのちのかたち

b0127040_21313095.jpg










3 ペトロールズ / Renaissance

b0127040_21322279.jpg










2 星野源 / YELLOW DANCER

b0127040_21325745.jpg










1 cero / Obscure Ride
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-12-31 21:34 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2015 11-20

b0127040_21235727.jpg










20 tofubeats / POSITIVE

b0127040_21241697.jpg










19 indigo la End / 幸せが溢れたら

b0127040_21243650.jpg










18 People In The Box / Talky Organs

b0127040_21245841.jpg










17 パスピエ / 娑婆ラバ

b0127040_21251518.jpg










16 Keishi Tanaka / Alley

b0127040_21253231.jpg










15 mouse on the keys / Flowers Of Romance

b0127040_21255183.jpg










14 D.A.N / EP

b0127040_2126797.jpg










13 服部峻 / Moon

b0127040_21262597.jpg










12 クラムボン / triology

b0127040_21264433.jpg










11 Spangle call Lilli line / ghost is dead
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-12-31 21:27 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2015 21-30

b0127040_21174119.jpg










30 きのこ帝国 / 猫とアレルギー

b0127040_2118247.jpg










29 ASIAN KUNG-FU GENERATION / WONDER FUTURE

b0127040_21182732.jpg










28 Czecho No Republic / Santa Fe

b0127040_21184524.jpg










27 踊ってばかりの国 / SONGS

b0127040_2119410.jpg










26 LAMP IN TERREN / LIFE PROBE

b0127040_21192835.jpg










25 Suchmos / THE BAY

b0127040_21194865.jpg










24 the telephones / Bye Bye Hello

b0127040_212084.jpg










23 Base Ball Bear / C2

b0127040_21202686.jpg










22 Madegg / New

b0127040_21204369.jpg










21 米津玄師 / Bremen
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-12-31 21:21 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2015 31-40

b0127040_21111668.jpg










40 Taiko Super Kicks / Many Shapes

b0127040_2111423.jpg










39 Sugar’s Campaign / FRIENDS

b0127040_2112815.jpg










38 北園みなみ / Never Let Me Go

b0127040_21124555.jpg










37 ビイドロ / ひろばとことば

b0127040_21131027.jpg










36 シンリズム / NEW RHYTHM

b0127040_21133951.jpg










35 YOLZ IN THE SKY / HOTEL

b0127040_21135958.jpg










34 ROTH BART BARON / ATOM

b0127040_21142392.jpg










33 the band apart / 謎のオープンワールド

b0127040_21144770.jpg










32 Turntable Films / Small Town Talk

b0127040_2115773.jpg










31 東京カランコロン / UTUTU
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-12-31 21:15 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2015 41-50

b0127040_2056464.jpg










50 never young beach / YASHINOKI HOUSE

b0127040_2057515.jpg










49 LILI LIMIT / Etudes

b0127040_20572133.jpg










48 Awesome City Club / Awesome City Tracks 2

b0127040_20573793.jpg










47 skillkills / Ill Connection

b0127040_2058513.jpg










46 sebuhiroko / WONDERLAND

b0127040_20582823.jpg










45 Alfred Beach Sandal / Unknown Moments

b0127040_20585027.jpg










44 ねごと / VISION

b0127040_2059550.jpg










43 吉田ヨウヘイgroup / paradise lost, it begins

b0127040_210232.jpg










42 fox capture plan / Butterfly

b0127040_2104065.jpg










41 OKAMOTO’S / OPERA
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-12-31 21:04 | YEAR IN MUSIC

Sound of 2015②



ザ・なつやすみバンド

こちらももう新人とは言えないかもしれませんが、ザ・なつやすみバンドのような良質な音楽を奏でるバンドがSPEEDSTARからメジャーデビューというのは、何だかうれしい話です。モナレコードとの接点も強い人たちなので、「Shiggy Jr.が妹なら、お姉さんはザ・なつやすみバンド」みたいなことも言えるかも。



内村イタル

昨年12月に『内村イタル & musasaviband』でデビューした弱冠20歳の内村イタルも引き続き応援したい。日本のポップスやアメリカのフォーク/カントリーから影響を受けた曲を作る若い人はホントに増えましたが、いかんせんメロディー自体が弱いと思うことがしょっちゅうある中、内村くんのメロディーの強さはホント格別。musasavibandか、葡萄園か、今年の活動がどうなっていくかはわかりませんが、とにかく期待大。



Helsinki Lambda Club

Awesome City Club、DALLJUB STEP CLUBに続いて、もういっちょ、Helsinki Lambda Club。昨年UK PROJECTのオーディションで優勝してデビューを果たした、話題のバンドです。andymoriが解散して、The SALOVERSも活動休止してしまうこんな世の中ですが、ギターロックを少しでも盛り上げてほしいと思います。



雨のパレード

10月にセカンドミニアルバム『sense』を発表した、残響レコードひさびさの大型新人・雨のパレード。昨年の「残響祭」で見た中で一番印象に残ったバンドのひとつで、クリエイター集団的な感性も今っぽい。People in the Box~indigo la Endの系譜を受け継ぎ、その先で何を鳴らして見せるのか。

österreich - SoundCloud

osterreich

おかえりなさい。
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-01-18 16:52 | YEAR IN MUSIC

Sound of 2015①



Shiggy Jr.

インターネットの世界では「2014年の顔」と言ってもおかしくない盛り上がりを見せたShiggy Jr.。チャットモンチーもCAPSULEも山下達郎もDAFT PUNKもケイティ・ペリーもEARTH,WIND & FIREも同列な世代が提示する新たなJ-POPは、いよいよ今年オーバーグラウンドへと浮上していきそう。



入江陽

そのShiggy Jr.の池田智子がゲスト参加していることも話題の新作『仕事』を1月7日に発表した入江陽。ブラックミュージック復権のさなか、岡村靖幸の再評価、清竜人25の登場を経て、今年はソウルフルな男性ソロシンガーにも要注目。そういえば、アイドル化する前の清竜人が残した作品のタイトルは『WORK』でしたね。



Awesome City Club

Shiggy Jr.らとも感覚を共有しつつ、より海外インディロック然とした雰囲気を持つAwesome City Clubは、mabanua(今年のキーパーソンの一人!)をプロデューサーに迎えて4月にビクターからメジャーデビュー。キングヌラリヒョン、thatta、THIS IS PANICなど、それぞれのバンドで活動してきたメンバーが集まって結成されているだけに、たたき上げの底力と覚悟には確かなものがあるはず。



DALLJUB STEP CLUB

「Club」つながりでDALLJUB STEP CLUBも今年いよいよ全国流通盤を発売予定。先日中心メンバーのGOTOによるジューク/フットワークの「叩いてみた」動画がYouTubeにアップされたことも話題を呼んだように、現在進行形のクラブミュージックを生バンドで再現し、パーティー感のある空間を作り上げるライブは必見!



Emerald

昨年9月にファーストアルバム『Nostalgical Parade』を発表したEmeraldは、もはや新人とは呼べないかもしれませんが、引き続き今年も応援。だって、「グラスパー以降」を感じさせる素晴らしい演奏と、チルウェイブ~インディR&Bの要素も盛り込んだサイケデリックなサウンド、そしてソウルフルな男性ボーカルという組み合わせの、こんなバンドは他にいないから。今年はAPOGEEと対バンしてほしいな。
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-01-18 16:43 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2014<DOMESTIC>

b0127040_1682199.jpg


1 Koji Nakamura / Masterpeace
2 くるり / THE PIER
3 石橋英子 / car and freezer
4 APOGEE / OUT OF BLUE
5 踊ってばかりの国 / 踊ってばかりの国
6 OGRE YOU ASSHOLE / ペーパークラフト
7 THE MIRRAZ / OPPORTUNITY
8 吉田ヨウヘイgroup / Smart Citizen
9 森は生きている / グッドナイト
10 bonobos / HYPER FOLK
11 Wienners / DIAMOND
12 Emerald / Nostalgical Parade
13 アナログフィッシュ / 最近のぼくら
14 Czecho No Republic / MANTLE
15 きのこ帝国 / フェイクワールドワンダーランド
16 シャムキャッツ / AFTER HOURS
17 THE NOVEMBERS / Rhapsody in beauty
18 赤い公園 / 猛烈リトミック
19 People In The Box / Wall,Window
20 坂本慎太郎 / ナマで踊ろう
21 ゲスの極み乙女。 / 魅力がすごいよ
22 SOUL FLOWER UNION / UNDERGROUND RAILROAD
23 モールス / 劈開
24 Homecomings / Somehow,Somewhere
25 米津玄師 / YANKEE
26 TAMTAM / Strange Tomorrow
27 蓮沼執太フィル / 時が奏でる
28 ROTH BART BARON / ロットバルトバロンの氷河期
29 tofubeats / First Album
30 キセル / 明るい幻
31 Shiggy Jr. / LISTEN TO THE MUSIC
32 Reliq / Metatropics
33 KIRINJI / 11
34 the telephones / SUPER HIGH TENSION!!!
35 Base Ball Bear / 二十九歳
36 内村イタル & musasaviband / 内村イタル & musasaviband
37 Gotch / Can’t Be Forever Young
38 ミツメ / ささやき
39 王舟 / Wang
40 テスラは泣かない。 / TESLA doesn’t know how to cry
41 ART-SCHOOL / YOU
42 Yogee New Waves / Paraiso
43 ヒトリエ / WONDER and WONDER
44 昆虫キッズ / BLUE GHOST
45 tobaccojuice / 一輪の花と二つの三日月
46 avengers in sci-fi / Unknown Tokyo Blues
47 canooooopy / 百夜を繋ぐ言の千切れ葉
48 撃鉄 / NO UNDERGROUND
49 ボールズ / スポットライト
50 New House / Kaleidoscopic Anima
次点 銀杏BOYZ / 光の中に立っていてね
次点 THE BAWDIES / Boys!
次点 OKAMOTO’S / Let It V
次点 ドレスコーズ / 1
次点 Syrup16g / Hurt
次点 KUDANZ / 何処か長閑な
次点 パスピエ / 幕の内ISM
次点 FOLKS / NEWTOWN
次点 febb / The Season
次点 taiko super kicks / 霊感


僕らはパラレルワールドを生きている

というわけで、2014年のベストアルバムにはKoji Nakamuraの『Masterpeace』を選びました。誰もがネットで作品を発表できる「個」の時代において、そのラジカルな視点とポップミュージックの作り手としての才覚を爆発させた、『HIGHVISION』以来の大傑作だと言っていいと思います。まあ、音楽メディアが選ぶ総合一位はくるりの『THE PIER』だった気はして、個人的にも一位にして全然よかったのですが、そこはちょっとした天邪鬼気質が働いたということで。何にしろ、かつての岸田繁いわく「アムロとシャア」の関係であり、「98年の世代」(by『SNOOZER』)であるこの二組が、「Live the life you love until we meet again」な感じで再び巡り合い、2014年という年に双方のキャリアにおいても屈指の傑作をリリースしたという事実には、何とも感慨深いものがあります(実際に、年末に出たくるりのシングルにナカコーがミックスで参加して、「we meet again」してるし)。昨年は赤い公園とtofubeatsを一位と二位にしましたが、2014年はもう少し上の世代が底力を発揮した年だったように思います。

ナカコーさんとくるり、両者の作品に共通しているのは、インターネットで様々な音楽を聴くことができるようになった現代をどう捉え、どのように取捨選択し、その上でオリジナリティの高いポップミュージックを作るかという命題に対し、非常に高いレベルで回答していたということ。そして、様々な国や年代の音楽性が混在する『THE PIER』からは、「パラレルワールド」というキーワードが浮かび上がってきましたが、この言葉は結果的に様々な意味で2014年を象徴する言葉になったように思います。一昨年に2020年の東京オリンピック開催が決定し、『AKIRA』の世界とリンクしたという話が象徴的なように、今僕らはパラレルワールドの世界を、SFの世界を生きているのかもしれない。それは「原発事故以降の世界」という社会的なトピックや、電車に乗れば誰もが四角い画面を見つめているという日常の光景からも感じられるもの。アニメや漫画、ゲームもそういった「もうひとつの世界」を提示する作品が多く、音楽作品も例外ではなかったわけです。直接的に「パラレルワールド」を作品のキーワードとしていたTHE NOVEMBERS、「SF化する現実のための曲集」をテーマとしたReliqをはじめ、坂本慎太郎やOGRE YOU ASSHOLE、avengers in sci-fiやTAMTAMの作品からも、こうしたムードが感じ取れました。2015年も引き続き、この手の作品は増えそう。

その他、上位に挙げた作品について簡単に触れていくと、石橋英子さんの『car and freezer』は赤い公園が10年後に作るべき先鋭性と普遍性を兼ね備えたポップスの傑作で、日本語盤と英語盤の2枚組という形態もすごい(そして、ジム・オルークの新作はまたしても出なかった…)。APOGEEの復活作は見事にチルウェイヴ~インディR&Bの流れとリンクし、来年以降より評価されるべき作品。踊ってばかりの国のセルフタイトル作は、SOUL FLOWER UNIONと並ぶ2014年随一のカウンターミュージックで、後輩のHAPPYがまだ持っていない強いカリスマ性を改めて感じさせました。オウガはフィッシュマンズやゆらゆら帝国にも肩を並べるレフトフィールドのポジションを確立させ、ミイラズはandymori解散後の今この国で一番かっこいいロックンロールバンドに(もっと評価されなきゃおかしい)。吉田ヨウヘイgroupと森は生きているは東京インディの先端で切磋琢磨し、bonobosは実はSAKEROCK~トクマルシューゴ~ceroという流れに寄り添うポジションにいたということを、チェンバーポップとスカやレゲエが共存した作品で証明してみせました(なので、このバンドももっと評価されなきゃおかしい)。

それにしても、2010年代前半の最後の年ということが関係しているのかはわかりませんが、2014年はいろんな意味で区切りの年になったように思います。「98年の世代」で言えば、くるりとスーパーカーに並ぶ顔役の中村一義が、初めて地元の江戸川でライブを行い、リアル「僕の人生はバラ色に変わった―!」を披露。また、99年前後にデビューした下北沢発のギターロックバンドにしても、バンプが15周年で、ストレイテナーやACIDMANもアルバムを出し、Syrup16gやBURGER NUDSが復活した一方で、ART-SCHOOLはゴッチも参加したアルバムを発表後、年末に活動休止を発表しました。また、9mmがベスト盤を発表し、年末に時雨と対バン、そして年明けには時雨がベスト盤を発表というのも区切り感があるし、かつて『version 21.1』というイベントを主催したサカナクション、the telephones、OGRE YOU ASSHOLEもそれぞれの道を行き、その最終回にTHE BAWDIESや9mmと共に参加したandymoriは解散。さらに下の世代でも、ゲスの極み乙女。のブレイクと赤い公園のレコード大賞受賞から、ひとつの区切りを感じました。

そして、これ以上に明確な円環を感じさせたのが、いわゆる「東京インディ」のシーン。「cero以降」というタームも明確になる中、2014年は前述した森は生きているや吉田ヨウヘイgroup、ROTH BART BARONなどがアルバムを発表し、岡田拓郎はすっかりシーンのキーパーソンとなりました。では、この流れの起源はそもそもどこなのかと改めて考えると、USインディとの接点が強く、リスナー気質の強いポップスの作り手であることなど、それはデビュー作『NIGHT PIECE』のリリースから10周年を迎えたトクマルシューゴであったと言えるでしょう。そのトクマル主催の「トノフォンフェス」で知名度を高め、バンドメンバーも一部重複する王舟が今年遂に正式な音源を発表し、『NIGHT PIECE』に衝撃を受けて宅録を始めたNohtenkigengoもアルバムをリリースしたことからは(ライブには岡田拓郎も参加)、やはり明確な円環が感じられたのでした。

では、2015年はどうなって行くのかを考えると、この「東京インディ」によって形成されたシティポップの再評価をひとつの背景とし、ブラックミュージックをベースとしたポップスがよりオーバーグラウンド化することは間違いなさそうです。シティポップとはつまりブラックミュージックを日本のポップスとして再解釈する動きであり、その第一人者である山下達郎は、今やすっかり20代の若いミュージシャンにとってもカリスマに。さらにはそこから何度目かの渋谷系リバイバル的な空気が生まれ、中でも現代が中田ヤスタカの時代であることを考えれば、CAPSULEやCymbals、Plus-Tech Squeeze Boxといった、ポスト渋谷系の影響がますます大きくなって行きそう。ここに海外におけるディスコやファンクのリバイバル、チルウェイブからインディR&Bへの流れ、さらには「グラスパー以降」の新しいジャズも合流し、日本ならではの特殊な状況が生まれてきていると。そして、これが結果的にフェスで重宝される高速の四つ打ちに対するカウンターとしても機能することになりそう。このあたりは、別で書いた記事も読んでみてください。

「4つ打ち」の次にくる邦楽バンドシーンのトレンドとは?

サカナクションとゲスの極み乙女。に見る「フェス中心」という価値観からの転換

ともかく、2014年が区切りの年であったならば、2015年は明確な地殻変動の年となることは間違いなく、年末から年始にかけて相次いでいるバンドの活動休止は、この変化を如実に物語っているように思います。もちろん、この時期にバンドが岐路を迎えるのは毎年のことだし、バンドにはそれぞれの事情があって、それをひとまとまりで考えることはできないのですが、それでもやはり、変化は確実に起こっています。しかし、言うまでもなく終わりは始まり。パラレルワールドでは、きっともう次の動きが始まっています。僕らはそれを自らの手で編み直し、自分の道を歩める時代に生きているのです。
[PR]
by ashadeofshyness | 2015-01-18 16:24 | YEAR IN MUSIC