音楽ライター・金子厚武のブログ
by ashadeofshyness
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<   2014年 01月 ( 6 )   > この月の画像一覧

ALBUM OF THE YEAR 2013<DOMESTIC>総括

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1 赤い公園 / 公園デビュー
2 tofubeats / lost decade
3 やけのはら / SUNNY NEW LIFE
4 downy / (無題)
5 アナログフィッシュ / NEWCLEAR
6 ビイドロ / またあしたね
7 きのこ帝国 / eureka
8 土井玄臣 / The Illuminated Nightingale
9 住所不定無職 / GOLD FUTURE BASIC,
10 andymori / 宇宙の果てはこの目の前に
11 禁断の多数決 / アラビアの禁断の多数決
12 People In The Box / Weather Report
13 森は生きている / 森は生きている
14 SEBASTIAN X / POWER OF NOISE
15 sleepy.ab / neuron
16 (((さらうんど))) / New Age
17 世武裕子 / 映画「だいじょうぶ3組」オリジナル・サウンドトラック+「みらいのこども」
18 吉田ヨウヘイgroup / From Now On
19 青葉市子 / 0
20 環ROY / ラッキー
21 曽我部恵一 / 超越的漫画
22 COMEBACK MY DAUGHTERS / Mira
23 THE MIRRAZ / 夏を好きになるための6の法則
24 SuiseiNoboAz / ubik
25 清竜人 / WORK
26 NILE LONG / Diggin' It Up
27 長谷川健一 / 423
28 Galileo Galilei / ALARMS
29 yukaD / Exhibition
30 MY WAY MY LOVE / The Fact Is
31 ヤーチャイカ / ふぁるすふろむあばゔ
32 Babi / Botanical
33 Mop of Head / Breaking Out Basis
34 Seiho / Abstraktsex
35 Veni Vidi Vicious / T.I.N.T.L.A
36 plenty / this
37 相対性理論 / TOWN AGE
38 taffy / Lixiviate
39 Fla$hBackS / Fl$8ks
40 geek sleep sheep / Nightporter
41 THE NOVEMBERS / zeitgeist
42 Serph / el esperanka
43 DALLJUB STEP CLUB / DAL ST
44 椎名もた / アルターワー・セツナポップ
45 Alfred Beach Sandal / Dead Montano
46 カメラ=万年筆 / bamboo boat
47 うみのて / IN RAINBOW TOKYO
48 nhhmbase / 3 1/2
49 テスラは泣かない。 / Anderson
50 The Acid House. / The Acid House.
次点 サカナクション / sakanaction
次点 KANA-BOON / DOPPEL
次点 THE BAWDIES / 1-2-3
次点 RADWIMPS / ×と○と罪と
次点 クリープハイプ / 吹き零れる程のI、哀、愛
次点 パスピエ / 演出家出演
次点 ハルカトミユキ / シアノタイプ
次点 高橋幸宏 / Life Anew
次点 タルトタタン / グーテンベルクの銀河系
次点 bloodthirsty butchers / youth(青春)


Era of Post Pops

 2013年は新しいポップスの年であり、赤い公園とtofubeatsがそれを象徴する2組だったように思います。インターネットで過去の音源が手軽に聴けるようになって早数年、国内における洋楽産業の不振によってリアルタイムの海外の音楽が10代~20代に伝わりにくくなったこととあいまって、近年はニューミュージック、シティポップからJ-POPへと至る70~90年代の国内ポップスが掘り返されました。そして、それをそれぞれの手法で再構築し、新しいポップスとして提示する作り手が脚光を浴びるという動きが、メジャー/インディー問わず、目立っていたように思います。元々越境型のラッパーで、共にポップス寄りの作品を発表したやけのはらとイルリメの(((さらうんど)))、はっぴいえんどとムーンライダーズのDNAを受け継いだ森は生きている、往年のロックンロールと渋谷系とアイドルを同列に愛する住所不定無職あたりがその典型。その中でも、クラシックで育ち、日本のポップスを愛し、それを00年代を通過したロック・バンドのフォーマットで鳴らしたのが赤い公園であり、シティポップやアイドルへの愛情をエレクトロニック・ミュージックに乗せたのがtofubeats。現在は共に活動の拠点をメジャーへと移し、この一年で大きな飛躍を遂げました。

 少し見方を変えれば、これは現代が作曲家の時代だということを示しているとも言えるでしょう。赤い公園の津野米咲がSMAPに、tofubeatsがlyrical schoolに曲提供しているように、現在のアイドル・ブームというのは、優秀な作曲家がいるからこそ成り立っているものであり、バンドマンによるアイドルへの楽曲提供が増えたのは2013年の特徴。中田ヤスタカやヒャダインが引き続き活躍してるのももちろんそうだし、言ってみれば『あまちゃん』の大友良英も、ボカロPの活躍も、その文脈で語ることができるはず。そういう確固たる作曲家がいるタイプのバンドを並べてみると、赤い公園、住所不定無職、禁断の多数決、あとパスピエなんかが出てくるわけですが、やはり高い作曲能力プラス萌え/アイドル的要素という意味で現在のシーンの基盤を作ったのは相対性理論だなあと思うわけです。元メンバーの真部と西浦のアゼル&バイジャンがプロデュースし、津野とtofubeats(と、bloodthirsty butchersの吉村と田淵)が参加したタルトタタンの『グーテンベルクの銀河系』は、いろんな意味で今年を象徴する一枚だったと思います。

 さて、そうなると赤い公園とtofubeats、どちらを一位にするかが迷うところで、かつては無料で音源をばら撒いていたtofubeatsがメジャーに進出したというのはすごく意味のある出来事だったとは思うけど、『公園デビュー』がメジャーのファーストフルアルバムであることや、2013年が女性の活躍が目立った年だったことも踏まえて、赤い公園を一位に選びました。作品自体はまだまだ伸び代が感じられる内容だったと思うけど、いろんな意味で「ロック・バンドなんて退屈だ」と言われ続けるこのご時世にあって、「いやいや、全然退屈じゃないじゃん!」と胸を張って言えるだけの魅力が『公園デビュー』にはあったと思います。11月に行われたワンマンで配られた手書きのセットリストには「売れたいです!」って書いてあったけど、ホント売れてほしい。



 ちなみに、津野米咲をはじめ、今活躍してる作曲家の多くが作詞もできちゃうから、「スター作曲家」はいっぱいいても、なかなか「スター作詞家」って生まれにくい。でもそんな中にあって、いしわたり淳治以来、ひさびさにスター作詞家誕生だと思ったのが、元チャットモンチーの高橋久美子。東京カランコロンを皮切りに、ももクロやSCANDAL、年明けにはたんこぶちんとかにも詞を提供していて、こういう人がもっと増えればいいなあ。


 また、2013年という年は「始まりの一年」だったように思います。去年の取材の中でも、特に印象に残っているもののひとつである古川日出男さんとアジカンのゴッチさんとの対談でも触れられていたのですが、2011年の震災・原発事故後、2012年に様々な問題が炙り出され、「いよいよ新しい枠組みを作っていかなくてはいけない」という認識が共有されたのが2013年だったなあと。そんな中、アナログフィッシュ、やけのはら、(((さらうんど)))という、それぞれにつながりがあり、決して表立って旗を振るタイプではないものの、常に社会と対峙した表現を続けてきた三者が、新作のタイトルに「NEW」という言葉を用いていたのが、非常に印象的でした(それぞれ、『NEWCLEAR』、『SUNNY NEW LIFE』、『New Age』)。特に、2011年に『荒野 / On the Wild Side』という作品を発表し、「ここから始まっていく」という姿勢を示していたアナログフィッシュが『NEWCLEAR』へとたどり着いたということが象徴的で、これは『My Lost City』という作品を2012年に発表したceroが、2013年にニューフェイズに突入したこととも通じるように感じました。まだ2014年に出ることが確定ではないにしろ、三部作の完結編となるアナログフィッシュの新作も、ブラック・ミュージックに接近しているceroの新作も、どちらも非常に楽しみです。



 もう一人、「NEW」を用いた印象的な『Life Anew』というタイトルの作品を発表したのが、高橋幸宏。原点に回帰しつつ、新しいバンドでニューモードを示した氏の作品も、非常に印象的でした。特に、かしぶち哲郎と大瀧詠一が12月に続けて亡くなった今、鈴木慶一が歌詞を提供した“The Old Friends Cottage”がより重みを持って響きます。トクマルシューゴからcero、森は生きている、そして2014年にアルバムが予定されている失敗しない生き方やミツメ、また失敗のメンバーと同級生であるカメラ=万年筆やスカート、Babiといった昭和音大勢ら、若い世代が日本のポップスを掘り起こし、後ろの3組にとっては直接的な師でもある牧村憲一が『ニッポン・ポップス・クロニクル 1969-1989』を出版したことも、2013年がポップスの年であること印象付けていました。


 「NEW」という言葉について、もうひとつ触れておきたいのが、6月にリリースされた『夏を好きになるための6の法則』の3曲目にサラッと収録されていたミイラズの“NEW WOIRLD”。この曲は元々2011年にシングル候補とされていた曲ですが、結果的に保留され、2013年にやっと発表されたといういわくつきの曲。ただ、この曲の持つメッセージは、2013年の日本のロック・シーンでこそ広く聴かれるべき内容だったと思うのです。『君繋ファイブエム』から10年、アジカンが横浜スタジアムで記念ライブを行ったのと入れ替わるように、アジカンも所属するKi/oonのコンテストでグランプリを獲得したKANA-BOONが一気にブレイクを果たした2013年という年は、ある意味00年以降の日本のロックの総決算の年であったように思います。そんな中、袂を切ったかのようにあふれ出した、フェスにおける四つ打ちの飽和状態や、国内ロックの海外との乖離に対する議論。ターニング・ポイントがやってきたことは間違いありません。



 00年代の洋楽を中心に、革新的なミュージシャンの名前を挙げながら、その意志を引き継ぎ、新しい世界を切り開いていこうと歌う“NEW WORLD”は、そのキャッチーさも含め、2013年の状況を打ち抜く可能性を持った曲だったと思います。ただ、いかんせんタイムラグがあったことは否めないという感じ。で、これは僕の勝手な願望だけど、ミイラズが2014年にまず出すべきは両A面のシングルで、新曲一曲と“NEW WORLD”の2014年バージョン。次はバンドとしても新体制一発目の作品になるわけだし、タイミング的にもいいと思うんだよなあ。


 では最後に、2014年の展望を少し書いてみると、今年は「99年」がキーワードになるんじゃないかと思います。2013年は「90年代のJ-POPってよかったよね」っていう空気が、特に若い世代において共有された年であり、それはアイドル・ブームの土台にもなっていたはず。そして、これまでの歴史だと、リバイバルは20年周期が一般的だったものの、情報のスピードが速くなった結果、今では15年ぐらいにその間隔が短くなっているように感じます。そんな中、メジャーデビュー作で森高千里を起用して、2013年の90年代感を体現していたtofubeatsが、昨年後半にずっと聴いていたのが99年発売の宇多田ヒカルの『First Love』だったそうで、その15周年を記念したリマスター盤が3月に発売。赤い公園が2月に発売するシングルで平井堅をカバーしてたりもするように、R&Bが戻ってくる感じがちょっとある。で、これは海外におけるインディ・ロックとR&Bの接近、日本でもceroやミツメとかが示している動きともちょっとリンクする部分があると思うんだけど、さてどうでしょう?

 あとギターロックの新たな動きという意味では、00年前後の下北沢のギターロックが再評価されるんじゃないかと。新年早々のサプライズとなったBURGER NUDS(99年結成)の再始動、そして当時は必ず比較されていたバンプが結成20周年で、3月に新作を発表(CDデビューが99年)。年明けにはヘルマンの復活作が出て、アートの新作も制作中みたいだし、あとはシロップが正式に復活すれば…。そもそも、この時代のバンドっていうのは、90年代の洋楽直撃世代で、当時アジカンはウィーザー、アートはニルヴァーナじゃんって散々言われていたわけです。そこからスタートして、この10年をかけて彼らはオリジナリティを獲得していったわけですが、今はその上澄みだけをすくって、真似するバンドが増えてしまったと。だからこそ、このタイミングで今一度99年に立ち返ってみるということは、意味があることのように思うのです。NMEとかで取り上げられて、逆輸入で紹介されたtaffyなんて、ホントあの時代の下北沢の音だしね。そして、そんな流れの中からまた新しいバンドが生まれてくれば、とってもエキサイティングだと思います。



ではそろそろ、くるりが15周年で、B’zが25周年だった2013年に別れを告げましょう。2014年もよろしくお願いします。
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by ashadeofshyness | 2014-01-14 14:24 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2013<DOMESTIC>1-10

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10 andymori / 宇宙の果てはこの目の前に
andymoriがライブのオープニングSEとして使用していたスキータ・デイヴィスの“The End of the World”は、死別の哀しみを歌った曲だという。しかし、andymoriはまだ終わってはいない。ファンファーレを、熱狂を、音楽を止めるな。

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9 住所不定無職 / GOLD FUTURE BASIC,
住所流『Band On The Run』、もしくは『ジョンの魂』ならぬ『ゾン(ビーズ子)の魂』。いろんな意味で衝撃だった2010年のデビュー作から、3年半の月日を経て、ポール・マッカートニーがひさびさの来日を果たした年に、まさかこんな名盤を手にするとは。そう、未来は彼女たちの手の中。

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8 土井玄臣 / The Illuminated Nightingale
七尾旅人が路線変更をしないまま、エレクトロポップやダブステップの時代を迎えていたら…なんて妄想を軽く凌駕する、大阪在住の宅録系シンガーソングライターによる傑作。“ダークナイト”のアトモスフェリックな美しさときたらもう。

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7 きのこ帝国 / eureka
エンジニアに采原史明を迎え、ほぼ一発録りでバンドのライブ感を閉じ込めた、正式なファーストアルバム。ほの暗い雰囲気が見事にマッチしたブリストル風のタイトルトラックがとにかく名曲。佐藤の歌が穏やかになった『ロンググッドバイ』では、フィッシュマンズ世代直撃の“パラノイドパレード”が白眉。

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6 ビイドロ / またあしたね
2010年12月の活動休止から、ほどなくして録音を完了していた本作は、いわば『荒野 / On the Wild Side』の双子のようなアルバムである。震災前に書かれていたとは思えないようなリリックと、それを伝えるためにミニマルに接近した3ピースのバンドサウンドが素晴らしい。祝、活動再開!

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5 アナログフィッシュ / NEWCLEAR
何もない荒野の先で手に入れたのは、新しく、確かな、厳しくも優しい視線。ただでさえ名曲の“抱きしめて”は、ライブ・バージョンでサイケデリックなアウトロが加わって、まるで“Under the Westway”と“Beetlebum”を足したような、素晴らしい仕上がりになっている。15周年の2014年、三部作ラストにも期待大。

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4 downy / (無題)
2004年の活動休止から、実に9年ぶりとなるこのバンドの再始動にあたって、オルタネティブな気質も持ったバンドマンたちが「我がヒーローの帰還!」と言わんばかりに、手放しで喜びを表現していたのが、何だか微笑ましかった。獰猛さを増した演奏とエレクトロニクスが融合し、いつになく開かれた作風となった、文句なしの復帰作。

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3 やけのはら / SUNNY NEW LIFE
一聴しただけで、ガシッと胸を鷲掴みにされた。やはり言葉の鋭さという意味では、数ある作品の中でもこの作品こそがベストだろう。インテリジェンスといい、ユーモアといい、明解さといい、ホントに清志郎やヒロトみたい。ceroの高城晶平やキセルを迎えたポップス寄りの作風も、時代感と見事にマッチしていた。

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2 tofubeats / lost decade
「ネット発こそがマジョリティ」という印象を決定づけた、2013年という時代の寵児。大学を出たての青年が、神戸在住のままメジャーデビューし、森高千里やの子といったアイコンを起用するに至る。これにはさまざまなタイミングが関わってはいるものの、類まれなソングライティング能力が呼び寄せたものであることを、改めて強調したい。

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1 赤い公園 / 公園デビュー
「アメリカの子供たちにとって、ロックはどんどんニッチなジャンルになりつつある」と語ったのはVAMPIRE WEEKENDのエズラ・クーニグであり、もしかしたら今の日本もそんな傾向にあるのかもしれない。しかし、この奔放な魅力あふれるガールズ・バンドを前に、「ロックなんて退屈だ」とは言わせない。あえてロック・バンドを選択したVAMPIRE WEEKENDがビルボードで2作続けて一位を獲得しているように、彼女たちもまた、この国のチャートを制するだけのポテンシャルを持っていると思う。
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by ashadeofshyness | 2014-01-06 23:09 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2013<DOMESTIC>11-20

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20 環ROY / ラッキー
間違いなく、これまでの作品の中でベスト。視点を日常に置きながら、それを普遍性のある、アップリフティングな表現へと昇華させ、先鋭的な日本語ヒップホップとしての冒険心も十分。バンドセットでのライブや、鎮座DOPENESSとのユニットKAKATOの無料配信と、非常に精力的な一年に。

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19 青葉市子 / 0
数多く登場した女性シンガーソングライターの中にあっても、やはり群を抜く存在感を発揮していたのは青葉市子だった。超豪華メンバーによる「妖精たち」との『ラヂヲ』もあったけど、本作に収録されたフィールドレコーディングによる名曲にして名演“いりぐちでぐち”を聴いていると、やはり「歌の妖精はあなた自身でしょ」と突っ込まざるを得ない。

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18 吉田ヨウヘイgroup / From Now On
昨年結成されたばかりのニューカマー。ジャズを基調としつつも、「日本のダーティー・プロジェクターズ」とも呼ばれるようにロック・バンド的な魅力も十分で、、なおかつ単純に歌ものとしても素晴らしい(歌詞も!)。このバランスのよさは、滅多にお目にかかれるものではない。

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17 世武裕子 / 映画「だいじょうぶ3組」オリジナル・サウンドトラック+「みらいのこども」
世武さんはもちろんサントラを作らせても素晴らしいんだけど、僕はこの人の歌ものがホント好きなんです。というわけで、『みらいのこども』最高。“私の愛したスパイ -ナチュラル・ボーン・プログレ-”最強。いずれまた歌もののアルバム作ってください!

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16 (((さらうんど))) / New Age
イルリメとTraks Boysによるポップスの探求は、砂原良徳という経験豊かな先輩と、ceroの荒内佑とスカートの澤部渡という才能溢れる後輩の助けも借りて、はっきりとネクスト・ステージへ突入。ミニマルで強度のあるトラックに乗せて、しっかりと歌を届かせる“きみはNew Age”が絶品。

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15 sleepy.ab / neuron
僕たちはいつだって、意識してしまったら夜も眠れなくなるような不安の中に生きている。そして、それが少しずつ可視化され、目の前に迫りつつある今、不安を不安のままに鳴らすスリーピーの音楽は、とても優しく響く。3人体制となったことで、原点回帰をしながらも、同時にスケールアップも果たした、「これぞスリーピー」と言うべき一枚。

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14 SEBASTIAN X / POWER OF NOISE
すでにバンドにとってのクラシックとなった“DNA”をはじめ、呼びかけ合い、ぶつかり合うことで生まれるパワーが凝縮された本作には、動態の生命力が漲っている。リリースツアーのファイナル、リキッドルームでの渾身のライブを経て、2014年の春告ジャンボリーは何と日比谷野音での開催!

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13 森は生きている / 森は生きている
2013年の東京インディー・シーンの顔役となったのは、はっぴいえんどとムーンライダーズを足したようなプロフィールを持つ、この6人組だったことは間違いない。「夢の断片を描いた」というこのアルバムは、きっとまだまだバンドのプロトタイプ。中心人物の岡田拓郎が大学を卒業する頃には、全然違うバンドになってるかもなあ。

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12 People In The Box / Weather Report
ライブにおけるサポート・ギタリストの加入など、バンドが変化の渦中にある中で産み落とされた、21曲1トラックのアルバム。あくまで曲本位で制作し、場合によってはエンジニアの井上うにに仕上がりを委ねるなど、過去最高に自由で、その分混沌とした作品でもある。そう、それは『ホワイト・アルバム』のように、『サンディニスタ!』のように。

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11 禁断の多数決 / アラビアの禁断の多数決
打ち込みによるアイドルポップ路線と、鈴木慶一をリスペクトするようなディープな音楽性の融合という意味で、僕は彼らのことを勝手に「tofubeatsとceroのミッシングリンク」と呼んでいるのですが、それはつまり思いっ切り時代の音だということ。日常と非日常が交錯するゾンビメイクの初ライブも、何だかよくわからないけどもう一回見てみたいと思わせる、不思議な魅力がありました。
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by ashadeofshyness | 2014-01-06 00:37 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2013<DOMESTIC>21-30

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30 MY WAY MY LOVE / The Fact Is
年明けのおとぎ話を皮切りに、そのまんま“ふれーみんぐりっぷす”という曲を発表した後藤まりこに至るまで、今年も「日本のTHE FLAMING LIPS」争いは熾烈だったものの、ドラッギーでぶっ壊れたポップという意味で、今年最もその称号に相応しかったのは、短くないキャリアを誇るこのバンドだった。

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29 yukaD / Exhibition
2010年にostoandellを解散したyukaDによるソロデビュー作は、もちろんROSE RECORDSから。作詞作曲はもちろん、演奏から録音・ミックスまでを自らこなすようになった今も、類まれなるポップセンスは健在。“夜明けのうた”という名曲を産み落とした。

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28 Galileo Galilei / ALARMS
POP ETCのクリストファー・チュウを共同プロデューサーに迎えた、過去最高にポップな名盤。HAPPYやThe fin.など、関西から洋楽寄りの有望新人が現れ始めているが、彼らは今もなお北海道の地で自分たちの音楽を研ぎ澄ませ続けている。

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27 長谷川健一 / 423
京都の歌うたいがジム・オルークと邂逅。石橋英子、山本達久、波多野敦子という近年ほぼチームとして活動している強力なサポートメンバーの協力も得て完成した素晴らしい作品。12月にはゴッチと組んで、NUMBER GIRLからPeople In The Boxまでをカバーした『my favorite things』も発表。

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26 NILE LONG / Diggin' It Up
今年は動きのなかったkingsのバンドの中にあって、エレクトロポップからR&Bへと接近し、最も海外とのシンクロを感じさせたのが、この元TBAメンバーによる新バンド。2月でボーカルのSIMが脱退とのことで、とっても残念。

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25 清竜人 / WORK
本人がフェイバリットに挙げる立原あゆみの漫画『本気!』に出てきそうなチンピラルックで周囲を驚かせた竜人だが、楽曲のオリジナリティはそれ以上。前作のアイドル~アニソン路線並みの情報量を生演奏で再現し、ブラックミュージックもクラシックも混ぜ込んだ、異形のポップアルバムが完成した。

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24 SuiseiNoboAz / ubik
誰もが驚き、そしてエールを送ったメジャーデビューの一報。その後に届いたのは、シンセを用いた穏やかでノスタルジーを感じさせる作風へと変化しながらも、やはりボアズらしいとしか言いようのない、武骨なロマンティシズムに溢れた作品だった。惚れ直しました。

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23 THE MIRRAZ / 夏を好きになるための6の法則
年明けのメジャーデビューアルバムから4か月、いろいろあってリリースされた新旧織り交ぜてのミニアルバムは、結果的に畠山承平のソングライティング力の高さを証明した名曲集。なんだかんだで、やっぱり肝は“NEW WORLD”。この曲は今の日本でこそ多くの人に聴かれるべき。

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22 COMEBACK MY DAUGHTERS / Mira
ボアズ以上に驚いたのが、このバンドのメジャーデビュー。しかし、インディーフォークのムーヴメントとシンクロしつつも、エモやパワーポップといった自らの出自も素直に落とし込んだこの傑作を聴けば、これはベストなタイミングだったように思える。THE STROKESとのまさかの“Take On Me”被りは笑ったなあ。

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21 曽我部恵一 / 超越的漫画
ベストアルバムを経て届けられた曽我部恵一のニューモードは、いい人ばかりではいられない、「バカばっかり」と愚痴をこぼす自分もそのまま詰め込んだ、まさに「曽我部そのまま」の作品。言ってみれば、2枚目のセルフタイトル作のようなものかも。しかも、間髪入れず発表されたシングルが“汚染水”だ。さあ、またしてもこの人から目が離せなくなってきた。
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by ashadeofshyness | 2014-01-05 22:53 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2013<DOMESTIC>31-40

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40 geek sleep sheep / Nightporter
LAMAや現在のART-SCHOOLなど、90年代後半のヒーローたちの再編が行われ、まさかこんな3ピースが生まれるとは。そして、モーサムよりも、ソロよりも、ツインボーカルによって百々のロマンチックな側面がピックアップされた結果、どこかスーパーカーすら連想させる作品になるとは。

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39 Fla$hBackS / Fl$8ks
全員がMCでありトラックメイカーというフレッシュな若き才能であるだけではなく、ヒップホップシーンの「あまちゃん」ことjjjの存在も話題となった3人組によるファーストインパクト。こうゆう偶然は、案外甘く見ない方がいい。

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38 taffy / Lixiviate
NMEをはじめとしたイギリスの主要メディアが絶賛し、逆輸入された4人組。何度目かのブリットポップ・リバイバルというよりは、00年前後の下北沢ギターロック・リバイバルの機運を感じる。

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37 相対性理論 / TOWN AGE
女子バンドもアイドルもボカロも全部含めて、今の日本の音楽シーンの基盤はこのバンドによって築かれたといっても決して過言ではない。新体制による一作目は、ソロも含めたこれまでの経験を注ぎ込み、後進バンドとの違いをはっきりと示してみせた。

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36 plenty / this
オルタナ感のあるロック・バンドだったのはすでに昔の話、あくまで演奏は曲に寄り添い、何より歌と言葉を聴かせることで、彼らはどこにもないポジションを築きつつある。ストリングスを配したリアレンジ集も発表し、世武裕子を迎えるなどの新展開も。

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35 Veni Vidi Vicious / T.I.N.T.L.A
ミイラズやチェコといった同胞がメジャーへと進出していく中、自主レーベルからそっと発表されたひさびさの新作には、ラジカルなソングライターとしてのジュリアン・カサブランカスに呼応する日本屈指のロックンローラー、入江良介の魅力があふれている。そう、今こそがTime For Heroesさ。

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34 Seiho / Abstraktsex
まずは何と言ってもアンセム化した“I Feel Rave”の甘美でエモーショナルな衝撃。また、Day Tripper Recordsを主宰し、デジタルとフィジカルを巧みに使い分けるその手腕は、tofubeatsと並んで関西の顔に相応しいものだった。

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33 Mop of Head / Breaking Out Basis
結局は、異端者だけが生き残る。ロックやジャズが混在するポストロック勢も、歪んだシンセベースと四つ打ちで盛り上がったエレクトロ勢も、時間とともに衰退していく中、そのすべてを両手に掴んだまま駆け抜けてきた稀有なインスト・バンドは、ここにそのベーシックを刻み付けた。

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32 Babi / Botanical
生粋のDIY系女子であり、また素晴らしい作編曲能力を持ったチェンバーポップ女子?でもある彼女の存在は、女性シンガーソングライターが盛り上がった2013年の中でも、ひときわ特別な存在感を放っていた。

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31 ヤーチャイカ / ふぁるすふろむあばゔ
THE YELLOW MONKEY(もしくはB'z)の系譜を受け継ぐ歌謡ハードロックをバックボーンとしながらも、決してJ-ROCKにはならず、プログレッシヴで、サイケデリックで、純粋にロックバンドとしてかっこいいバンド。こうゆうバンドこそ売れてほしいんだよなあ。
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by ashadeofshyness | 2014-01-05 18:43 | YEAR IN MUSIC

ALBUM OF THE YEAR 2013<DOMESTIC>41-50

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50 The Acid House. / The Acid House.
配信のみで発表された踊ってばかりの国の下津光史による全編英語詞のソロプロジェクト。言葉を重視しない分のリラックスした作風が、彼のソングライターとしての、シンガーとしての魅力を改めて浮き彫りにしている。

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49 テスラは泣かない。 / Anderson
MO'SOME TONEBENDERのオルタナ感とサイケデリア、THE JERRY LEE PHANTOMのリフレインとダンスビートを兼ね備えた鹿児島の雄。2014年は共にメジャーデビューするゲスの極み乙女。と共に形骸化した「ダンスロック」をひっくり返してほしい。

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48 nhhmbase / 3 1/2
5年ぶりの新作が遂にお目見え。バンドは新体制となるも、最終的には首謀者のマモルが一人で作り上げた渾身の一枚。匠の技によって骨組みのみで構築された、ポップ曼荼羅の設計図。

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47 うみのて / IN RAINBOW TOKYO
『KID A』で911後の世界を予言したトム・ヨークに対し、うるう年生まれのササ・ヨークはこのアルバムで「笑っていいとも」の終了を予言した。言いたいことはどちらも、「もはや平和ではない」。躁ですね。

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46 カメラ=万年筆 / bamboo boat
濃厚な前作からは一転、近しい仲間と共に作られた軽快な一枚。年末には佐藤優介がスカートの澤部と共にカーネーション・トリビュートを企画するなど、一年を通して昭和音大勢の動向が気になる一年だった。

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45 Alfred Beach Sandal / Dead Montano
今もブルックリンと東京のインディ・シーンが呼応し合い、裾野が広がり続けていることを示しているかのような、エキゾポップの良盤。リズミカルな歌の節回しは、RADWIMPSとか好きな人にも十分受ける気がする。

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44 椎名もた / アルターワー・セツナポップ
サカナクションと宇多田ヒカルを愛する未だ十代のボカロネイティブによる成長痛の一枚。さよならだけが答えじゃない。切なくもさわやかな後味。

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43 DALLJUB STEP CLUB / DAL ST
自らライブハウスにサウンドシステムを持ち込み、ジュークやダブステップを生演奏する新進気鋭の低音バンド。Alaska Jamの森心言が加入し、2014年はさらなるブレイクに期待。

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42 Serph / el esperanka
女性シンガーとのユニット、N-qiaとしてのリリースもあった孤高の電子音楽家は、いよいよユートピアから地上へと降臨し、力強い希望を鳴らしてみせた。1/11にリキッドルームで行われる初ライブは、果たしてどんなものになるだろうか?

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41 THE NOVEMBERS / zeitgeist
UK PROJECTを離れ、自主レーベルMERZからのリリース。downyの青木ロビンを迎えての、脱ロック・バンド化した音楽的熟成を踏まえ、作り手にも聴き手にも主体性の意味を突きつける、真摯なバンドによる野心作だ。
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by ashadeofshyness | 2014-01-05 17:31 | YEAR IN MUSIC